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生意気

元・自動車整備士が綴るブログ

道端に捨ててあるチャリンコを見て思い出す。

何でこいつはここにあるんだろう。時たま道を歩いていると、何でこんなものがここに置いてあるんだろう?と思うものが道に置いてある。または捨ててあるのか。

 

僕が小学生の頃は、通学路の途中が、ちょっとした森というか茂みがあったのだが、そこによくエ◯本が捨ててあった。今でこそ、ネットそういったブツを簡単に見れるようになっているが、当時の僕らからしたら、それは未知の世界だった。

道脇に落ちてる未知の物体。僕らは好奇心から、ソレを手に取るも、そこで見た刺激物にそっと蓋をして、それを元の場所に戻した。

今思うとあれは一体誰があそこに捨てていったのだろう。それとも捨てたと思わせて、ああいった保管法だったのだろうか。

 

今、おそらくアレを置いた人物と同じくらいの年齢になっているのだろうが、今になっても、あそこに置いた理由が僕にはわからない。そもそもああいった本をまだ買ったことがないので、まだまだわかるわけがないのだが。そもそもあれに500円かそれ以上払う必要があるのか。

 

まぁ、そこはその人の価値観なので、詮索はしないが、なぜそこに置いたかは教えて欲しい。エロトラップなのか。小中学生に無理やり大人の階段を登らそうとする、何者かの陰謀なのだろうか。

 

ドラクエなどのRPGに例えると、まさにあれはアイテムだ。自分を強化するための装備であり、回復アイテムでもある。あ、いや、エ◯本が全てではないが。

他に落ちていたものは、”変わった形の棒”や”謎のおもちゃの残骸”など。

これらは、当時の僕らにとっては武器である。特に”変な形の棒”は完全に個人を主張するためのステータスとなるので、どういったアイテムを取るかで、登下校の強さが変わった。

 

かっこいいけど耐久力がない棒であったら、それは一回の戦闘で壊れてしまう。逆に頑丈でイイ感じの形をした棒であれば、もうその日の戦闘はそいつの一人勝ちだ。

一度面白かったのは、招き猫が道端に置いてあったこと。

何でお前はこんなところで招いているのだと、突っ込む間も無く、その日一番強い棒を持ってた友人Aは、その招き猫に特攻していった。

 

普通に考えて、招き猫は悪いやつじゃないだろうと思いつつ、無邪気に闘いを挑みに行くそいつの背中を見送り、ふと道の脇に停めてあった自転車に目がいった。

 

右手を挙げている猫は金運を呼び、左手を挙げている猫は客を招くって知ってました?

この時の招き猫が、どちらの手を挙げていたのかは覚えていないが、おそらく左手を挙げていたのではないかと思う。客、つまり人を招く猫だ。

 

その招き猫が置いてあった場所は、周りを森に囲まれた中にできた獣道の入り口付近だった。僕の通っていた小学校は、周りを森林に囲まれた、非常に自然溢れる場所に立っていた。僕の地元は非常に田舎です。田んぼで稲も育てたし、畑でスイカや秋にはサツマイモも育てたりしてました。学校の裏の森を使って、僕の名前を使った〇〇◯ランドという名のアトラクションもどきを森に作って遊んだりしていた。

 

そんな自然に囲まれた場所にある小学校なので、通学路ももちろん森に囲まれていた。あまりに人気もなく、なんか危なそう、みたいな理由で、わざわざ遠回りしないといけない通学路だったり、色々立地が悪いんだけど、なぜかこれといった事件はなかった。

 

だがこの日はちょっとした事件がおきた。

 

友人Aが果敢に招き猫に挑みかかっている最中、僕は横に停めてある自転車に目がいっていた。その時、どうにもその自転車に視線を向けざるを得なかった。

 

今までなかった場所に突如現れた敵(招き猫)、そして横に置いてあるボロボロの自転車。確かにボロボロではあるが、どうにも”捨てた”とは思いにくい風貌だった。

まず、その自転車のカゴには、袋に入れられたフライパンがあった。それも一つではなくいくつもある。スーパーなどで貰える少し大きめの袋に、フライパンが3つか4つは入っていたのだ。まずなんだ、フライパンって・・。と思うのだが、当時の僕は、なぜフライパンが袋に入ってあるのかというよりも、そこになぜチャリンコが置いてあるんだろうという単純な疑問があった。よく見ると、その招き猫は何だか少し綺麗なのである。買ってきてから、まだ外にも出したことのないようなウブな外見の招き猫。

そして獣道の入り口の真ん中に、ドンっと置かれているシチュエーションに違和感を覚えざるを得なかったのだ。

 

Aが必死に招き猫攻撃をしているその時、突如獣道の奥の方から声が聞こえてきた。

 

「ナンダァァァァァアアアアアア」

 

奥の方にフライパンを両手に持つ老人のような影が見えて、こちらに向かってきている。

 

「やばいっ!!」

 

僕が叫ぶと同時に、招き猫と戦っていたAが奥にいる敵の存在を確認し、すぐさま退避の体制をとる。

 

「なんかきたって!!」

 

「いいから逃げるぞ!」

 

 

僕とAの他に、まだレベル5くらいの友人2名がいたのだが、計4人。みんな逃げた。誰一人として、勇敢にあの影と戦うやつは現れなかった。

完全に敵に背中を向けたままでの逃走ではあるが、まだ小学4年とかの僕に、背中の傷は戦士の恥なんて考え、微塵もないわけだから、必死にダッシュで逃げる。

 

すると背中でコンッと、微かにだが鉄というか、そんなものが柔らかい場所に落ちたとわかる音が聞こえてきた。

 

 

後ろを振り返ると落ちているフライパン。

 

 

そう、奥にいるそいつがこちら目掛けてフライパンを投げてきたのだ。

 

全身の血の気がサーッと引いていく音を聞いた気がする。

僕らは無我夢中で道をかけ戻り、なんとかヤツの魔の手から逃げ延びることができた。

 

 

それが、ある日の放課後の出来事。

今までに遭遇したことのない敵とエンカウントして、命からがら?逃げ延びた幼い日の記憶。

 

今でも道端に置いてある自転車を見ると、ふとその日のことを思い出す。それからその招き猫とフライパン親父は見てないけど、いつ遭遇してもいいように、拾うアイテムはちゃんとしたものを選ぼうといまだに考えてしまう。幼き頃のトラウマって今でもずっと根付いてるもんなんだなって思う今日このごろ。

 

 

アディオス。